理系大学生のひとりごと

理系大学生です。この記事が誰かのお役に立てればと思います。

大学進学してよかったと思ってます

レールから外れるということ

田舎出身のせいなのか、古い家系のせいなのか、将来の進路の王道は高卒or地元の大学卒で地方公務員になるか地元の銀行に就職することだった。僕も幼い頃に「〇〇銀行はお給料が高いのよ」とか「地方公務員はクビにならないのよ」と母親に言われたことを覚えている。そういうこともあって県外の大学に進学した時点で(僕の周りのごく小さな)社会のレールから外れてしまったのである。

 

先生との会話

王道ルートから逸れた要因の一つとして中学生のときの担任の先生との会話がある。将来の進路について聞かれ、当時は何も考えていなかったので、「高校に行って、卒業して、地方公務員になる」と言った。(そういえば小学生のときにも友達どうしで大学行くか否かという話になったことがあったが、当時 "高卒で働く" と言っていたことを鮮明に覚えている)

そしたら先生は「あなたは高校を卒業したら大学に行くべきだ」と言った。このときから僕は大学進学というのを意識し出した。中学2年初めのことである。

 

ネット大好きな少年

しかしながら、黙っていては何の情報も入らないので僕がどうやって大学の仕組みや大学とは何ぞや?など諸々を知るようになったのはインターネットのおかげである。

田舎といえど家はネットにつながっていたので中学1年生の冬にお年玉で当時流行っていたiPod Touchを買い(スマホが普及する前)、中学2年生になってからは無線LANルーターを買ってもらい家でiPodを使ってネットサーフィンをしていた。ネットの世界は非常に広く、今までに知りもしなかった魅力的な情報で溢れかえっていた。

 

エンジニアってなに?

ネットの世界を垣間見ていると、テレビや冷蔵庫などの電化製品はエンジニアという人たちが作っており、その職業は大変おもしろい職業であることがわかった。

当時の僕は図工が大好きだったので、ものづくりを仕事としてできるのは面白そうだった。そして何より、図工では作品を完成させても学校の人たちしか見ないし、仮に作品展に出品されてもせいぜい地元のジジババしか見てくれないものだったが、エンジニアになって製品を開発すると世界中の人たちの手に触れるという何とも魅力的な職業だった。

さらにネットで調べていくと、エンジニアになるにはまず大学を卒業しなければならないし、研究開発となると多くは大学院卒であることがわかった。

 

中学生にしてはかなりのリサーチ力だったと当時の自分を褒めたい。しかも誰から教えられたわけでもなく、一人でネットだけで調べたのだからこれまた凄い(笑)。

 

恵まれた環境にいること

「ネットばかりやってないで現実の人と会話しなさい」と言う大人もいるが、この意見には賛成できない。僕の場合、もしネットが無かったら今頃、東北大学に入学せず地方公務員として働いていたかもしれない。

通っている大学は研究設備はもちろんのこと、留学制度も整っており希望すれば日本のみならず海外でも活躍するチャンスが十分にある。教員もおもしろい人がいっぱいいるし、友人もいいヤツばかりだ。そして大学生活が楽しい。

二十代前半という人生において大事な時期をこの環境で過ごせるのはとても貴重なことだと思っている。

 

入学してより広い世界を体験できたのは、元をたどっていくと中学生のときに夢中になったインターネットのおかげである。インターネットを使うことで狭いコミュニティから抜け出せたから、今の幸せな自分がいると思う。

 

"ネットばかりやってないで現実の人と会話しないさい" と言う奴らに言ってやりたい。 "あなたの周りが世界のすべてなのですか?" と。

周りの現実の人間が狭い価値観の中で生きていたら、現実の人間といるだけでは世界が広がらず、人生が勿体ないと思う。

後で外の世界を知って、「あのとき別の選択をすればよかった」と後悔してほしくない。

 

選択肢は多いほうがいい

大学進学が良いのか悪いのかに関わらず、「将来の選択肢が多い進路」であることは事実だ。

研究者やエンジニアになれるし、もちろん前述した公務員にも銀行員にもなれる。

ついでに言うと商社やコンサル、金融などは文系に人気のある職だが、論理的思考力が必要とされるので意外と理系からのほうが近道かも?しれない。

 

ネットを有効活用しよう

現実にいる身近な狭い価値観をもった人たちだけでなく、インターネットを通じてより広い世界に触れることができたからこそ、この進路の存在を知ることができた。

僕は東北大学に通うことができてとても幸せだ。だから、今の子どもたちにはぜひネットを活用してほしい。僕も含め、ネットが普及した時代に生まれた子は恵まれている。

 

ネットがあれば、自分の周りでは当たり前とされることが、外の広い世界では当たり前でないことが分かるのである。

前途有望な子どもたちには、今いるコミュニティの外に広がる、広大な世界を見てもらいたい。

実際にその世界に足を踏み入れなくても、「広い世界がある」という事実だけでも知ってほしい。

田舎が悪いということを言うつもりはないが、狭いコミュニティの狭い価値観の中で育てることには反対だ。本人に選択肢を与えるべきだし、選択に迷ったら、将来的により多くの選択が可能な進路を薦めたい。

 

最後に

インターネットに夢中になったおかげで今の自分がいるのだが、これはほんの一例に過ぎない。10人いれば、10通りの進路、10通りの人生がある。これは綺麗事ではなく実際にそうなのだ。

これから人生に岐路に立たされるであろう人たちには、目の前にレールが敷かれていたらレールを壊すくらいの気概であってほしい。

このブログを通じ、後になって、やってよかったと思える選択をしてほしいと思う。